シートン

裁かるゝジャンヌのシートンのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.8
なにか荘厳なものにふれた感覚
とにかく人物たちの目が、すべてを語りかけてくる。オルガンが、それを形にしてこちらにとどける、畳みかける

ジャンヌの魂は焔に包まれて天に昇っていったというが、群衆の当てのない暴動のなかで、それを見ていた者はいただろうか。しかし群衆が愚かなのではない。じっと見ているにはあまりにも忍びないのである。暴れずにはいられないのだ。

彼女の魂の祈りというものに真に触れ得た者は、いただろうか。僕は、それに揺さぶられつつも、その信仰とか誠実さのまえでたじろいでいる。おそるおそる手を差し伸べながら、ひっこめている。スクリーンの中と外で、人々の反応に変わりはない
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