『ぼくらが旅に出る理由』
この映画は、雑誌『暮しの手帖』の元編集長、松浦弥太郎さんによるドキュメンタリー。サンフランシスコ、スリランカ、スペイン、台湾など、世界の街を巡るフォトエッセイを映像化したような雰囲気です。
特徴は、街の人々の生活を、食と、夜の生活(やらしい意味ではなく)を切り口に映像化していること。
最近だと『朝メシまで。』『不夜城はなぜ回る』などのバラエティでも取り上げていますが、人々が寝静まる深夜の人間模様にフォーカスを当てることで、各国の違いがよく出ていたと思います。
ストーリーはなく、NHKの『世界ふれあい街歩き』のような感じで、流しっぱなしにしていてもいい感じ。
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旅はサンフランシスコから。
『旅の始まりはサンフランシスコと決めていた』のナレーションから始まり、観る人を早朝の海辺のダイナーの中に連れて行ってくれます。
朝の横からの強い光はお皿に乗った熱いチーズトーストの陰影を際立たせ、立ち上る湯気までが立体的に映る姿は絵画的な美しさがありました。
本作の”似ている作品”に、「かもめ食堂」が挙がっていますが、たしかにフィンランドの港町に雰囲気似ています。
旅は次々に国を巡っていきますが、最近観た「スティルウォーター」の舞台、フランス・マルセイユの街は映画の一場面のようでしたし、台湾の下町感もよかったですね。
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カメラ📷を持って旅に出たい!
そう強く思わせてくれる作品でした。
出張が多い仕事をしていて、ある意味毎日旅をしていたようなものだったのですが、仕事が変わり、コロナ禍による生活様式の変化もあって、すっかりインドア生活に。
今年は入院するなど自分にとっても転機の年でもあるのですが、そろそろ何か新しいことをやりたいなと思わせてくれる、良い作品でした。
「場所はいつも旅先だった」って変なタイトルですが、『◯◯する場所は、いつも旅先だった』ってことで、◯◯のところは自分で好きに決めていいのかも。
ということで、とりあえず小沢健二の『ぼくらが旅に出る理由』を聴いてます😋
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2023年 Mark!した映画:282本
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