せいか

Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-のせいかのレビュー・感想・評価

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1/1、ウェブ上でABEMAで公開されたものを視聴。

元となるスマホゲームはプレイしており、本作の元となるシナリオもリアルタイムでプレイ済。
本作は完全にゲームをプレイしたファンが観ることを前提にもろもろの説明や展開説明を切り捨ててとにかく戦闘描写のアニメーションと一部の対話シーンの映像化、またはメディア展開ついでのプラスアルファや大幅な設定や表現の修正が行われているものとなっている(この追加要素に関してはこれまでの年末特番で重ねてきた描き下ろしアニメーションでの大幅な設定改変による追加説明なども取り込まれている)。なので、それを踏まえて観る限りにおいては観ていて楽しいものとなっているかと思われる。
というか、たまたま他の劇場版作品であるキャメロットと連続して観たので、ファン向けのムービーとしての存在意義は発揮していた点においてだいぶマシな位置にあるなあと思ってしまいながら観ていた。

私個人としてはFGOが語るものに対しては(この章で語るものにしても)ほぼほぼ冷めて見ているところがあるのであれだけれど、主人公やマシュ、それに他の人々が旅の果てに向き合い言葉として明らかにする想いの熱量が映像化によってまた別の彩りを与えられているものとなっていたと思う。
ただ、ゲーム本編のときとは違い、登場するサーバントでもセリフまであるのは一部のみとなっているのはちょっと残念だったというか、注意を要するものがある。そのへんのセリフの応酬もこの場所において彼らの背中を押すものではあったと思うので。とはいえ、そう全部拾ってはいられないのも分かるので、別に心底というほどには不満足にも思わないのでもあるけれども。

一番好きなサーバントはアマデウスなのだけれど(というか彼のためにゲームがやめられないのだけど)、セリフこそカットだったが、動いてる彼が観られたのでハッピーって感じである。

内容に関しては、まあFGO節のきらめきを語るもので、上述したように私はこの作品が語るものに対してほぼほぼ冷めているので、彼らの闘争も答えも、さよかで終わるので、映画化されたところでこの氷の心が動くことはなく、まあそういうのも理解はするよ、僕には意味がわからんところはあるけれどって感じだったので特に言うこともない。刺さる人には刺さるんだろう。
私には、人間や世界への愛を語りたがり、汚いものも含めてなおも生きることに前向きでいようと語りたがる割に刺さるものがないところにしか毎度毎度ならないのでなんなんだと思ってはいるのだけれども。語り手も認める通り善意は押しつけがましさもあるというように、本作においても語ることに押しつけがましさを添えてるのかもしれないが。
せいか

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