LUMINA

月光の囁きのLUMINAのレビュー・感想・評価

月光の囁き(1999年製作の映画)
4.2
旦那さんにおすすめされて鑑賞しました。
変態的な嗜好を持った少年が、うぶな少女の変態性の芽を萌えさせてしまうところから始まり、人間は関わりを持つ相手を選別しないと、その後発現する自分の新たな側面が大きく変わってくる、ということをこの年ながら痛感しました。

自分の中の意外な側面は、自分の力だけでは見つからないのだなぁ。

しかしながら、確実に言えることは、この2人に見えているのはお互いだけです。そして、私はこれが歪んだ愛の形だとも思いませんでした。
むしろ、この世の他の全てのことを放棄するように、お互いに対峙する姿勢は、一般的な恋愛よりも真摯な感さえありました。

マネスキンの「HONEY(RU Coming?)」という曲の歌詞にもありました、

All is fair in love.

まさにこれですよね。

変態性を描いた映画といえど、気持ち悪い映像でもなく、思春期のみずみずしさを感じさせるものでした。私にはこのような時代はなかったし、今もほぼノーマルだと思っているので、やや羨ましさを感じました。

日本映画はあまり観ない私ですが、古い作品にもこんな傑作があるとは驚きでした。最近の日本映画の傾向として、退廃的な若者の姿あるいは恋愛模様を生々しく描写したものが多いなという体感でしたが、
この作品のメインの2人は対照的で、迫り来る荒波から決して逃げることなく、そして醜悪な題材を扱いながらフレッシュな息吹を感じさせるという、新鮮な映画でした。
LUMINA

LUMINA