いつだかシネマンションで入江悠監督との会談があって気になっていた作品。
ホラーテイストながら、振り切れることなく、じんわりくるオカルトさ。悪くない。
『世にも奇妙な物語』に近い雰囲気?
川口春奈と岡田将生の兄妹の物語も良かった。二人とも演技が上手い。
設定が難解とまでいかないものの、ドッペルゲンガーに似せながら非なるものとして描くには少々駆け足な流れで進んだ。
夫・滋の度重なる浮気や金遣いの荒さから逃げてきた要と、それを匿う形で離婚問題解決に気合いが入る輝夫。
夫婦の関係や、兄妹の関係を描いているとしたら、もう少しドラマを深くして欲しかった。
オカルト演出が濃くない分、そこを強調したら化けると思った。
様々な登場人物が出てくる割には、群像劇とまで踏み込めていないため、そのあたりも中途半端。
何を武器に勝負したのか分からない作品になってしまった。
監督は、韓国での製作が楽しかったと言っていたが、もうちょいグロさだとかゾクゾクする演出があっても良かったかなーと、こちらとしては注文つけたくなる。
『ビジランテ』や『太陽』のような舞台っぽい感じは伝わってきた。まだまだこの監督には期待している。