kuro

ニワトリ☆フェニックスのkuroのネタバレレビュー・内容・結末

ニワトリ☆フェニックス(2022年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

2024/3/9

幼馴染でルームメイトだった草太と楽人。草太は家業を継ぐため実家へと戻り、同居は解消、楽人はチンピラのような生活を続けていた。そんな日々に嫌気が差し始めていた楽人のもとへ、草太から誘いが来て、2人は再会を懐かしみつつドライブを楽しむが、その道中、夢とも現実とも判断できないような不思議な出来事が次々と降りかかる。旅の記録をこまめに動画で残す草太、時折かかってくる電話で表情を暗くする楽人、そして時折挟まれるウェディングドレスの若い女性。それぞれの謎がラストシーンで明かされる。

アマプラで井浦さんと成田さんのツーショットに惹かれて鑑賞。10分ほど観てやめるかと思ったが、好みでないものも観ないといけないという謎の義務感で見続けた。
旅の途中で、まるで悪夢のような不思議な出来事が起こる。その都度、手書き風イラストと高テンションのタイトルが現れる。つらい。悪夢の内容も、笑えるようで絶妙に笑えない。役者さんたちは皆さん素晴らしい。テンポも良くて見ていられるが、全編通してセリフがつらい。探し求めていた火の鳥を見て、どっちだったかな、草太か楽人が「綺麗だなあ」。台詞が直接的で、不自然。私には友達がいなさすぎて知らないだけで、こういったストレートな言葉で日常会話を行うコミュニティがあるのかもしれない。多分そうなのだろう。動画を回しながら草太が「旅とは?」と質問する、楽人は答える「一瞬一瞬が宝箱」。はっきり覚えてないが、終始こんな感じの会話が続く。「君に会うために生まれてきたんだ」みたいな台詞もあったような気がする。その台詞を描写で見せてほしい、と思う人間には向かない作品だった。

あと細かいけど、周りは田んぼだらけなのに、鍬もって歩いているのも納得できない。チンピラの親分も「全部やめて農家になる!解散!」みたいなことを言っていて、親分が農家を舐めているのはわかる。チンピラだし。しかし、農家ラブの農家自身が田んぼの道を鍬持ってプラプラ歩いている描写からすると、監督脚本演出が農家を舐めているとしか思えない。

オチはびっくりした。発案した時、嬉しかったんだろうなぁと思った。いつ楽人に子供ができたのだろう? 高良くんは成田くんより年上では? 草太の奥さん、感動を倍増させるために事故死させられてない? 楽人の奥さんは? 親友同士の子供たちが結婚することに、なぜか手放しで喜べない自分の感情を説明できない。名実ともに家族になれてよかったね、ということなのだろうか。

都合の良い感動づくりのために、登場人物の人生を弄んでいるように感じられてしまい残念だった。

それにしてもキャストがすごい。主人公2人(+1人マリーさん)、スナックの方々、奥田さん、特に火野さんのオーラがすごかった。これが続編とは知らなかった。悔しいのでニワトリスターも見てみようと思う。
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