ざまんごー

ONODA 一万夜を越えてのざまんごーのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
4.0
見つけた瞬間見たいなーと思って、フィリピン隊の子と見てきた。

私も協力隊でフィリピン住んでた時ルパング島行って、オノダトレイルなる小野田さんが隠れてたジャングルのツアーに参加したことがある。今では島の観光地になってて、パンフレットにも載っていた。

小野田さん達がジャングルで30年間過ごしたのも、罪なきフィリピン住民達が殺されたのも、小野田さんの仲間達が殺されたのも本当にしょうがない、としか言えない気がする。誰が悪いとかではない。「戦争」のしょうもなさをすごくリアルに映し出してるな、という印象。

これ見て思ったのは、人間って追い詰められると視野が狭くなる(小野田さん然り、ブラック企業で働いてる然り)っていうのを改めて感じた。
自分もよく目の前の事しか考えられなくなるから、常に意識的に視野は広く持ちたいなというのを改めて思った。

映画の長さも、小野田さん達のジャングル暮らしの追体験の後押しとなった。

途中彼らがラジオを聴いて思い込みをする所とか、若干「グッバイ・レーニン」を思い出した。急激な世界の変化、パラダイムシフトから取り残された者たち。

私は日本人だし戦争時の報国の精神とか、上官の命令は絶対だっていう当時の彼らのメンタルはある程度理解できるけど、これを見て「個人」が第一に尊重されるヨーロッパの観客がどう思うのかが気になるところ。カンヌの「ある視点」部門というのも納得。

下手にフィリピンだったし29年間も生き延びれちゃったんだろうな。これがロシアだったら絶対冬越せてない。この前キャンプしたばっかなのでサバイバル術にも注目してしまった。

また色々小野田さんについて調べたくなった。昔のフィリピン協力隊が、小野田さん探しに駆り出されてたとか面白すぎる。本当に当時は国際問題だったんだな、と改めて実感。
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