長いが観ていられたのは僕が日本人だからだろうか。
戦争の恐ろしさ、であり大日本帝国の恐ろしさであった。
着色はあれど大筋は史実通り、帝国主義の生み出した哀しき怪物小野田氏の半生。
自国の事だからどうしたって肯定的に捉えてしまいがちだけど、大陸で大虐殺をし、自国の青年たちを戦地へ駆り出し餓死させ、洗脳に近い教育のあげく覚醒剤を与えて特攻させる、最後には沖縄を切り捨てた。どう考えたってこの国は異常だ。
戦争に負け、多文化を押し与えられてやっと世界のレベルに追いつき始めたこの国にタイムスリップしてきた小野田氏が馴染めなかったのは理解できた。
この映画、監督がフランス人で邦画ではないというから驚きだ。
忖度せず、日本人こそが作らなければいけない映画だった。