「殺人を隠すために殺人をする」
筒井哲也の同名コミックで実写映画化したサスペンス。監督は廣木隆一。
興行再生を図ろうとする平和な島に受刑者という異分子(ノイズ)が入り込んで来て、故意ではないが殺してしまい、それを隠す生活を続けようとする、ってのは設定として面白い。現に中盤までは面白かったが、中盤のある事件が起きた時から微妙になってきた。ってか正直そこのシーンはむしろ笑えたんだが。
なんていうか結構無理やり感が多いのが目立つ。そもそも振り返ると冒頭の保護司が就職先の農家にアポイントも取らずに、船に乗ってわざわざ島までやってくる時点で無理があるな。あと事件の真相もこんな回りくどいやり方するかね。長年の思いなんだからこんな偶然で行き当たりばったりな事件を利用するならもっと用意周到に準備するべきだろ。
もっと言えばこれは禁句なんだろうけど、受刑者を殺した時点で正当防衛を主張してたら終わった事件のような気がする。家宅捜査の令状すら取らないスカシ刑事がいるからそこは認められたような。
あんまり期待してなかった分、言うほど悪くは無かったが、もうちょっとなんとかなったような惜しい作品だった。