うたまるさん

ノイズのうたまるさんのレビュー・感想・評価

ノイズ(2022年製作の映画)
3.3
「暑かったのでアイスクリームを食べました。とってもおいしかったです。」

藤原竜也主演の映画は「鳩の撃退法」以来。
デスノートで共演した松山ケンイチと久しぶりの共演した作品。主役の二人以上に、神木隆之介と永瀬正敏の印象のほうが強く残った。
女優陣も黒木華の熱演はもちろんのこと、伊藤歩がなかなか嫌みの強いキャラクターを演じていました。

ストーリーは、伊勢湾に浮かぶ小さな島「猪狩島」で起こった出来事。
幼なじみの泉圭太(藤原竜也)と妻の加奈(黒木華)と田辺純(松山ケンイチ)は3人とも同級生で島育ち。今では圭太が経営するいずみ農園で黒イチジクを栽培し、出荷していた。
圭太の作る黒イチジクは品質も良く、話題性もあったため、テレビでも大々的に取り上げられたりもした。そのおかげで県から地方創生の助成金5億も入る話が持ち上がっていた。

時を同じくして、島育ちの警察官守屋真一郎(神木隆之介)も島の駐在員として、先輩駐在員の岡崎と入れ替わる形で着任することになる。

全てが穏やかに進む中、その後の島の運命を変えてしまう人物が現れる。元受刑者の小御坂(渡辺大知)だ。
小御坂は更生後見人の鈴木に連れられ、いずみ農園への就職をお願いするためこの島へとやってきたのだが、島に着くなり鈴木を絞殺してしまう。
犯行後、ふらふらと島を彷徨っているところを圭太と純に目撃される。

静かな離島では、最近観光事業にも力を入れ始めたところだが、島民は村意識が強くなかなか外部の人たちがいることを快く思わないでいた。
黒イチジクの出荷を終えて帰ってきた圭太は、自宅に娘のえりながいないことに気づく。
純や真一郎も手分けをして探す。

圭太が自分の農園にあるビニールハウスに入ると、そこには娘の自転車にまたがる小御坂の姿が…。
小御坂を問い詰める圭太と純。そのままもみ合いになり、圭太が突き飛ばしたことで運悪く小御坂は頭をぶつけて死んでしまうのだった。
一方、娘のえりなは加奈によって無事発見される。結局小御坂は何の危害も加えてはいなかったのだ。
真一郎もビニールハウスに到着し、3人で死体を見下ろす。

圭太は自首を申し出るが、島の今後の発展のこと考え純は引き止める。そんな時に先輩の岡崎から島民のカサブタになることを伝えられていた真一郎は「この死体を隠しましょう。」提案するのだった。

その頃、突然いなくなってしまった鈴木を心配する家族から相談を受けた県警の畠山は鈴木が小御坂とともに猪狩島のいずみ農園を訪ねているのではないかと島にやってくる。
ここから事件はどんどん思わぬ方向へと発展していく。そこに訪れる結末とは…!?

と、まあ、こんな感じなんですけど、私には今一つ感情移入しにくい作品でしたね。
結構、あちらこちらに伏線はばらまいているのですが、それも中途半端に回収するのみで、丁寧さに欠ける作り。
さらに、場面によってはなぜそちらに舵を切るのか理解に苦しむ展開が多く、「あ、それわかるぅ!」に全くなれない。
さらに、県警の畠山などに関しては、切れ味鋭くズケズケと村意識の強い島民に入り込んでいくが、これもなんだか中途半端。まあ、このあたりは台本の力量不足か、はたまた映画の尺の問題で詰めざるを得なかったのか…。
最後のオチに至っても、びっくり箱ドーン!な壁の写真を見せられても、それならもっと前に出しておきなさいよ💦なんて感じちゃいましたし、何よりも一番もやもやした部分が……。

観ていない方はここから先は読まないでくださいね。



最初にも書きましたが、娘のえりなちゃんが書いた絵日記というか、紙芝居というか…。
あの3行程度のセリフが合計で3回も出てくるのですが、肝心の3枚目の絵は見せないところは意図的なのか、それとも偶然か、いずれにしても何の意味を持たせたの??というところがわかりづらくてもやもやどころかイライラしました。

まあ、いつものように勝手なことを言わせていただきますと、キャスティングミスと演出ミスかなぁと、大量に毒を吐いておきますね。
藤原竜也はもっと色々な役ができるのに、なんでいつもしっかりと意志と正義感が強い役にしてしまうんだろう。もっと妻夫木聡みたいなおどおどした雰囲気が出せる役者さんが泉圭太でもよかったかな!?あるいは、藤原竜也にそのレベルまで演じさせても良かったのでは…なんて感じちゃいました。

まあ、原作を読んでいない私が勝手なことを言うのもいかがなものかと思いますよね💦
いつものようにかっこいい藤原竜也が見たい方にはオススメの映画です。
うたまるさん

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