ボブおじさん

ノイズのボブおじさんのレビュー・感想・評価

ノイズ(2022年製作の映画)
3.4
過疎化に困る孤島で起こった殺人事件をめぐり、藤原竜也が演じる圭太と松山ケンイチが演じる純、神木隆之介演じる真一郎という島側の人々と、永瀬正敏と伊藤歩が演じる警察側の捜査陣が繰り広げるサスペンス。

上に記載した導入部とピタリとはまったキャスティングまでは、かなり興味をそそられた。ところが後半にかけて脚本の問題からか今ひとつ映画にのめり込むことが出来なかった。



以下、ネタバレ含む



原作の漫画を読んでいないので比較はできないが、基本的に長編漫画を映画化する時はどの部分を切り取って映画にするかという脚色が重要になると思う。

長期連載を考えて作られた漫画には定期的に盛り上げる要素が入るために、ドラマ化には向いているが、全部を2時間前後の映画にしようとすると散漫になってしまうことが多い。

この映画も村に紛れ込んだ不審者(殺人犯)を過失で殺して、その死体を遺棄するまでは島側の3人に共感することができ、気持ち的には犯人側に肩入れして見ることができた。

ところが第3の殺人以後は、焦点をどこに定めていいのか分からなくなって今ひとつ物語に入り込むことが出来なかった。

同じ設定とキャスティングで脚本をもう少し練り直せばもっと面白い映画にできたと思うだけに残念な印象である。