織田

ノイズの織田のネタバレレビュー・内容・結末

ノイズ(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

好きな映画でした。
早々から主人公3人(特に圭太と純)にかなり肩入れして私も"守りたい側"に。そもそも藤原竜也と松山ケンイチがタッグを組んでいる時点で移入確定なのですが…🥹🥹

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闖入者かつ不審者である小御坂の絡んだ序盤がとにかく圧巻。ここで一気に引きこまれた。

圭太と純は当時まだ小御坂の正体を知らず、"何となくヤバい奴"という気配の察知と"よそ者"という情報から彼を取り押さえにかかる。しかし視聴者はその前に保護司を裏切る姿を観ており、小御坂がどんな危険人物であるかを把握済み。ゆえに圭太たちに大きく移入する。

さらにその後には車が猪をはねて警察を呼ぶ場面があり、件のビニールハウスの現場では「人命」と「害獣の命」と「小御坂のような犯罪者の命」を天秤にかける機会が与えられていて、生命の重さは果たして平等なのでしょうかと問いかけられているようにすら思える。(猪のシーンは本当に素晴らしい導入。このシーンだけで猪狩島の気質がほぼ説明できますよね)

『ノイズ』という刺激的な単語が小御坂に使われる意味。その単語に乗せられる許容しがたいという感情。タイトルが出てくるまでの序盤で、どこに寄り添うかの立ち位置が決まった感じだった。ちなみに小御坂はマジで鬼畜だと思った…渡辺大知の名演。

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とはいえこの『ノイズ』が誰にとっての何なのかというのは後々変わっていき、そこには島の排他的・閉鎖的な性格も関わってくる。(排他・閉鎖というと聞こえが悪いがそこには相互の信用が前提としてあるわけで、島民のスタンスは仕方ないというか正論だと思う)

中盤以降も緊迫感と焦燥感を携えながら進んでいった中、落とし所はちょっとあっさりしてて残念。
原作から結構改変されているようですが、あの要素を入れるなら容疑者Xの献身みたいな感じにもできたのではと思った。

※原作漫画未読。漫画版の展開は鑑賞後に確認しました
織田

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