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ガンパウダー・ミルクシェイクのhasseのレビュー・感想・評価

3.8
女性版ジョン・ウィックという表現はあまりに紋切り型かもしれないが、その雰囲気を十分に楽しむ映画なのだからしょうがない。聖域である(銃の持ち込み禁止)病院、図書館、ダイナーでの各戦闘がクールで見ごたえある。病院での両腕使えない縛りサムVSサン馬鹿はなかなかエグいことやってるがどことなくコミカル。図書館では猛者オーラむんむんの三人の司書たちや母親(GOTサーセイ役のレナ・へディ!)と共闘で暴れまわる。ダイナーでの殺戮でボルテージマックスへ。

母親役が(サーセイ役の)レナ・へディだからか、そこはかとなくポンコツの先入観で見てしまう。そもそも任務でミスって組織から命を狙われる羽目になって娘と15年会えなかったわけだし、ダイナー突撃前にサムから作戦は?と聞かれて思い付いてない、と馬鹿正直に答えるあたり、ぽんである。だがそこがいい。それに、最終的にはサムのピンチを救う最高の母親である。

ガンパウダーミルクシェイクとは、サムにおける、母親との甘い思い出と、母親と別離し闇の世界に染まった苦い現実のない交ぜになった現況を示すイカしたタイトル。

キーアイテムとして登場するミルクシェイクはアメリカ基準だと普通なのかな、シェイクの上に立派なホイップクリームが鎮座していて、胸焼けしそうになったけど。
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