ちぇみ

ガンパウダー・ミルクシェイクのちぇみのレビュー・感想・評価

4.0
父と娘、というテーマは昔から繰り返されてきて、現代においてももちろん涙を誘うテーマではあるのだけれど、母と娘の関係が主題になっている作品は最近になってようやく増えてきたような気がする。
結局、仕事はいつだって親子関係の弊害となる。父親にしろ、母親にしろジェンダーは関係ない。両立は難しいし、片親なら尚更。シンプルなストーリーであるだけに、新鮮さはなかったが何だかほっとした。
サムと母親の関係がエミリーと父親の関係が並べて取り上げられているのもまた良い。

あと個人的に注目したいのは、フローレンス(ミシェル・ヨー)とマダリン(カーラ・グギノ)の関係。キスシーンこそは描かれないのだけれど、一際セクシーな耳打ちのシーンとミシェル・ヨーの眼差しから2人が恋人同士であることがよく分かる(ミシェル・ヨーの演技力には感服させられる)。気づかない人ももちろんいるかもしれないけれど、、母と娘の関係が強調されるこの作品の中で、レズビアンである2人の女性が登場すること。これによって、一気に様々なアイデンティティをもつ女性を含めた「シスターフッド」という大きなテーマへと発展させることが出来る。

精密な計画に沿っていつも行動していた母が急なトラブルの時にはポンコツになるのも、考え無しに行動して失敗するのも妙にリアル。計画がない時ほど、いつもランダムに行動するサムのような人間に救われるのよね、分かる。
ぶっきらぼうなのに他人を放っておけないサムが素敵。

そして何よりアンジェラ・バセット様がド好みだった。カッコイイ…年齢を調べてひっくり返りそうになりました。

さて、今日はバニラアイスを買ってミルクシェイク作ろっと。

*サムがシリアスなのに対して、台詞はコメディチックなものが多いのもまた面白おかしい。「俺はフェミニストを自負している」には大笑いした。
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