たかちゃん

ハード・ヒット 発信制限のたかちゃんのレビュー・感想・評価

ハード・ヒット 発信制限(2021年製作の映画)
2.0
車の座席下に爆弾を仕掛けられた銀行支店長。犯人の口座にカネを振り込めと脅される。車には2人の子供も同乗、車を離れると爆発するという。
設定は『スピード』、冒頭のオモチャの拳銃は『シャレード』、副支店長の車が爆発するのは『恐怖の報酬』をお手本にしたと思われる。だが、支店長は犯人の言いなりで、事態を有利に運ぼうという努力がない。『新幹線大爆破』『スピード』は作戦が次々と失敗していくから面白かったのだが、本作はその工夫、抵抗すらなく、ただ車中でスマホによる犯人とのやり取りだけなので、ユーモアもアクションもなく、単調で盛り上がりに欠ける。
それでいて、この支店長、部下にはカネを集めるようパワハラ口調で指示する情けなさ。要するに犯人を騙す、車から脱出するといったサスペンスが醸成されないのだ。
中盤で、ようやく爆弾処理班が到着。警察は狙撃手を用意するだけで支店長と接触しようとしない無能振り。班長は支店長と話し合おうとする。しかし支店長は犯人に会話を聞かれているので班長から逃げまくる。こっそりメモを渡すなどの知恵がない。見せ場であるパトカーとのカーチェイスも工夫がなく新味に欠ける。そして犯人に娘を人質に取られる始末。さらに、犯人は銀行に恨みがあるとわかると、銀行を告発する証人になるとまで言い出す。やはり主人公の人格に問題あり。本作はスペイン『暴走車ランナウェイカー』(15)のリメイクらしいが未見。
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