QI

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3.8
“グレーも色の一つ🤍”

監督 フランソワ・オゾン

そして出演者に
ソフィー・マルソー
シャーロット・ランプリング
の名前を見て鑑賞

脳卒中で倒れたことをきっかけに、自らの人生を終わらせることを手伝ってほしいと父親に頼まれた娘たち

それが正しいことなのかに悩みながらも頑固な父の願いを叶えるために奔走する彼女たち

果たしてその結末は…

尊厳死という重たいテーマにも関わらず、フランス映画らしいエスプリの効いたセリフとテンポの良い演出で物語は軽やかに進みます。

この作品で直接的に描かれているのは“死”ですが、その前に考えなければならないのは“生きる”とはどういうことなのかということ

“生きる”=“延命”ではないと語る父親

人はなんのために生きるのか

自分のため?
社会のため?
愛する人たちのため?

人の命を救うために生きる人たち
人に生きる希望を与えるために生きる人たち
法律で命を守るために生きる人たち

そして愛する人に生きていてほしいと願う人たち

この作品にはそんな人たちがしっかり描かれています。

自ら死を選ぶことが正しいことなのか、そして許されることなのか
生きる目的を失うこと=“死”なのか

そこに白黒つけることはできずとも、忘れてならないのはそこには人への愛が必ずあるということ

そんなことをあらためて考えさせてくれる作品でした。

ソフィー・マルソー
父のわがままに翻弄され悩みながらもなんとかその思いを叶えようとする娘の姿をとてもリアルに、そして見事に演じていました。

そして『ラ・ブーム』のキュートさを失っていない奇跡😆

シャーロット・ランプリング
出演シーンは多くないものの、その存在感は流石の一言

この作品の核心をついた彼への想いを語る一言にトリハダ

p.s.
ジャン・リュック・ゴダール
彼にとっては“映画づくり”=“生きる”だったのでしょう。
それが叶わないと考えてのその選択?
彼の作品をそして彼を愛する多くの映画ファンの存在もその選択を変えられず…😢
R.I.P
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