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すべてうまくいきますようにのらのレビュー・感想・評価

3.7
安楽死を扱った映画というとシリアスな「社会派」映画になりそうなものだが、本作のタッチはどこか軽快でユーモラス。それでいて理性的で、父から安楽死の手配を頼まれた娘のエマニュエルは、彼の気が変わることを望みつつもその意志を尊重して着々と準備を進めていく。安楽死までの手順はきわめて具体的に描かれており、その過程でのエマニュエルの心の動きもリアルに捉えられている。娘のエマニュエルは、身勝手で奔放な父親のことを憎らしく思いつつ同時に愛している。ただ愛だけがあるわけではない親子の関係がリアルだ。そんな父親をチャーミングに演じるアンドレ・デュソリエの貢献も大きい。
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