ガルベス

レッド・ロケットのガルベスのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
4.6
花形ポルノ男優が落ちぶれホームレス状態となり、長年疎遠だった妻(母と二人暮らし)の元を訪れる。
渋々受け入れてもらうも、謙虚さはなくむしろ厚かましい主人公。

一時が万事、後先考えない場当たり的な行動を取り続け、モラルの良し悪しなど平然と凌駕する様に呆れると同時に清々しさも感じた。

着の身着のまま来たから妻のTシャツを借りて、白昼堂々チャリンコでのらくらと走る姿がめちゃくちゃ好き。
ドーナツ屋に入り浸って店員の女の子に執心したり、正規の仕事に就けないからドラッグの密売に何の躊躇いもなく従事したり空っぽ過ぎるのに忘れられないキャラクター。

草彅剛もびっくりのあのシーンや妻の飼い犬に「人生ってチョロいね」とドヤ顔で言い放ってからのその後の犬チラ見が白眉で、クズなんだけど愛すべき小物。
カラフルな色彩感覚や随所の巧みな編集、端々のBGMのセンスにただならぬ才気を感じた。
好き嫌いははっきり分かれるだろうが個人的には傑作に思う。
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