道に倒れて誰かの名を呼び続けたことがありますか、と、かつて中島みゆきは問いかけた。
そして今、私は問いかけよう。窓から裸で飛び出して、フルチンで逃げたことがありますか、と。
なにかとお行儀の良さを求められる時流に、こういう「死ななきゃ治らない」レベルのバカをみんなで見てる。客席にいるのはわりと年齢層も高く、普通に良識ある人々のように見えたし、私もそのうちのひとりの顔して座ってた。
そんな人たちが、マイキーみたいなクズでミジメ、だけど本人はどこ吹く風みたいなヤツに、何かしら興味を惹かれて、この映画を観に来てる。世の中、たまには一般的な常識で生きてない人がいた方が面白いんだと思う。身近にいたらたまらないだろうけどね。