故ラチェットスタンク

レッド・ロケットの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
4.4
これも、地平線が真ん中にある画が多いんですがどの画もキメキメでサイコーでした。シネスコ使い上手すぎ。130分のランタイムで良い絵が詰まりまくってるので一切退屈しない。会話の応酬、視線の交錯、水平移動の心地良さ。テキサスの街並みも目に豊か。

どうしようもない男がどうしようもない男として突き抜けていく清々しいあのラスト。白眉だ。あんなにカラフルにあんなに清々しくあんなに美しく「終わった顔」って撮れるものなんだ。あの虚構じみた鮮烈な一枚絵からの主人公の顔面のドアップと静寂。パーフェクト。