やべべっち

レッド・ロケットのやべべっちのネタバレレビュー・内容・結末

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ポルノ俳優でヤリチンの中年男が落ちぶれて金が無くなってテキサスに舞い戻ってくる。

邦画「すばらしき世界」の三上と同様一発逆転を夢見ている男だがマイキーは三上のような真面目さは無く徹頭徹尾口八丁手八丁で軽薄である。それも笑っちゃうくらい。

だが妙に憎めないし「お前はそれでいいわ」という気分になってくる。現実世界で相手したり深入りはしたくないが距離を置いて付き合うとまあまあ楽しい相手ではある。映画の中でマイキーはJKの可愛いストロベリーとヤっちゃう訳だし自分が知っているナンパ師さんでも20歳の可愛い子とかとヤリまくっている人はざらにいる。いわゆる5種体癖が多い。女、金、筋肉が全ての人。

テンポが良い、軽い、明るい、楽しい。この辺りがポイントである種得をする。んでもってストロベリーに恋をしたのかと思いきやポルノ女優としてデビューをさせる所謂女衒みたいな事を企んでるし、自分を慕ってくれるロニーを散々使いっ走りさせた挙句事故ったら自分の世間体を気にして自分は関わってない事にしたり、ロニーが全ての罪を被った事を知り裏でガッツポーズしたクズっぷりはもはや爆笑してしまった。

でも「素晴らしき世界」の三上よりこの男の方が救いがあるように思えてしまうんよ。悲しいね、それが現実。その差は「ユーモア」だと思う。真面目過ぎるってやっぱりタチが悪いんよ。この映画の登場人物のロニーのように。そしてこの監督はこのテキサスの田舎の工場地帯を汚く描いていない。マイキーとストロベリーがデートする工場地帯の景色や芝生は綺麗なんだよな。