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ニトラム/NITRAMのいろはのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
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実際の事件「ポートアーサー銃乱射事件」が発生するに至るまでの経緯を描いた作品。オーストラリア政府が銃規制へ踏み出すきっかけにもなったらしい。
加害者の青年の『普通』には馴染むことのできない、生きづらさがリアルに描かれている。生きづらさが孤独を生み、孤独が狂気的な感情を増幅させて、結果的に何かがトリガーとなり犯罪に至る。銃乱射事件自体は凄惨なもので実際人も亡くなっている。決して許されるものではないが、この生きづらさという点で共感してしまい、観るのが辛かった。両親のサポートはあった。本当の意味で孤独だったのかはわからない。作中ではあまり多くは語られず、淡々と物語は進行してゆく。
ただ、特に父親の二トラムへの愛情がひしひしと感じられたのであのような展開を観るのは本当に辛かったし、これを書いているいまも鬱々とした気分で落ち込んでいる。
観るタイミングを間違ったかもしれない。疑問点はいくつかあるが、ちょっとまた観ようかな、という気持ちにはなれない。
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