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インフル病みのペトロフ家のmiwanのレビュー・感想・評価

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)
4.1
最初に観た時は「え?」「何?」「誰?」「どこ?」の連続で、ほとんどポカーン状態だった。最後の方で何となく繋がりが見えてきたけれど、やっぱり全貌はボヤけたまま。それでも、シュールな映像と耳に残る音楽と畳み掛けるような展開から目も耳も離せなかった。

そして、潔く解説を読んで二回目を鑑賞。二回目は圧倒的におもしろかった. 2004年のロシアと1976年のソ連を行き来し、90年代のエピソードも挿入される。それぞれの継ぎ目のない場面展開は、ペトロフの混乱がそのまま伝わってくるような感覚になる。でも、終始、絵画的な不思議な美しさに溢れている。
民俗っぽい音楽も妙にカッコ良くて、何となくカウリスマキ監督作品を彷彿とさせる。と思ったら、エンドロールは死者によるラップミュージックが流れるという極めつけのシュールさに、何だかニヤっとしてしまう。
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