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MEMORIA メモリアのpenのネタバレレビュー・内容・結末

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映画が始まると静かな時間の中で様々な音が微かに聞こえてくるのが耳をすませると分かる。その映像と音に呼応するように、その日の場内が段々と意識的に静かになっていくのが印象深かった。これもまたこの映画を体験することの一部だろうと思う。

目で見たものは時が流れると実際に見たものとは別の形で記憶してしまうことが多いし、嗅覚が呼び起こす記憶も人によっては曖昧なものが多いかもしれない。じゃあ記憶と一番強く結びついた五感って何だろうと考えてみると、聴覚なのかもと映画を観ながら。
静止したようにとてつもない長回しの映像でも、音が変化すれば時間が流れていると理解出来る。僅かな葉の揺らぐ音も世界の起こる異変として捉えられて、とても良かった。

雨音の豊かさ、自然のざわめき、その中の不可思議な音。常にわたしたちは聴いていて、それが予期せぬタイミングで大地に眠る記憶、何かの鼓動を捉えてしまうのかもしれない。大好き。
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