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MEMORIA メモリアのCOLORofCINEMAのネタバレレビュー・内容・結末

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

●アピチャッポン・ウィーラセタクン監督長編映画。本作合わせて4本しか見ていないけれど、今回が一番好きです。
●【記憶】という点で昔、確か横尾忠則さんと細野晴臣さんの対談で出てきたアカシックレコードの話を思い出した。この入り混じった感じ。ダリの話がチラッと出た時に少しわかった気がした(気がしただけ)。
●まるでマウス軌道を描くようにウロウロするジェシカ(ティルダ・スウィントン)。監督曰くはアンテナ、あるいはアンプ。そして川のほとりで会う男、エルナン(実は爆発音の再現を頼まれる音響スタジオの男も同じ名前。ハードディスクと修復アプリ?)。意識も無意識も過去も未来もすべての記憶が繋がったとき見えるものは?
● Apichatpong Weerasethakul memoria bookで画像検索すると構想ノートやメモで構成されたスペシャルブック(輸入書扱い)の紹介ページがいろいろ垣間見られる。かなり細かい。
●サヨムプー・ムックディプロームはグァダーニの2本の他にNetflix映画『ベケット(Beckett)』も撮影監督として参加。すごくよかった独特の異国にポツン感の一因だと思う。思えば本作も初のタイ以外で撮られた作品。
●もう、ラスト(本当にラスト2時間ほど経過した残り10分ほどに現れる)宇宙船(明言はないがどう見てもそう)には唖然とした(わずかな白煙であれ?とは思うが)。さて、最初は森を映しているものとばかり思っていたわけだが「ルビンの壺」のように一度、脳が認識してしまうと「そう見えてしまう」(2回目以降は最初から宇宙船の輪郭がわかる)。続くショットにも何か潜んでいるのではないかと目を凝らして見続ける。同じように「音」についても聞きとれない「音」が含まれているように思う。エンドロール見て気づいたけどアトモス案件でもありました。これはいつか徹底的に調整された「極音上映」などを期待する。きっと、新たに出現する「音」があることを夢想しながら。
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