イホウジン

MEMORIA メモリアのイホウジンのレビュー・感想・評価

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
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見えないものを見る、触れられないものに触れる

日常を切り取ったような映像から次第にどこか遠い世界へと観客を誘うのは、監督の諸作品に共通する魅力であろう。今作もまた、テンポこそゆっくりながら、終盤に向かうにつれてSFともオカルトとも取れる展開へと至る。
ちょうど伊藤亜紗の「手の倫理」が副読本になりそうな物語だった。時として視覚を超越する触覚の面白さが存分に表現されている。触覚のコミュニケーションにおける距離の不在が、今作では主人公と他の登場人物との危険な親密さとして描かれていたようにも見えた。
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