サマータイムブルース

MEMORIA メモリアのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
3.8
ドゥンッ!!!

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督は、カンヌ国際映画祭で、パルムドールを受賞した「ブンミおじさんの森」に続いて、2作品目の鑑賞です
「ブンミ〜」は大好きな作品で、2、3回は見てます

今回は監督が初めて母国タイを離れて撮った作品です
知らなかったのですが、タイ国内では検閲が厳しくて、思うように映画制作ができないのが理由らしいです
普通ならパルムドール取って英雄扱いなのかと思いきや、そうでもないみたい

今回はコロンビアで撮影されています
タイ、コロンビア、イギリス、メキシコ、フランス、ドイツ、カタール合作!!とのことです
使用される言語は英語か、スペイン語です

主演のティルダ・スウィントンさんといえば、個性的なお顔立ちで、最近は「ドクター・ストレンジ」や「サスペリア 」などの奇抜なイメージが強いですが、今回の役柄はおとなしめの役柄
すごい適役だなと思いました
ドゥンッ!!という音に、ハッと反応したり、謎だらけの難しい役柄を見事に演じていました

さて、作品に関しては、よく分からなかった、というのが正直な感想です
音が重要なのはわかるのですが
だからといって、難解な作品、というのも違う気がする

とにかく、静謐な映像、定点カメラによる長回し、BGMはナシ、という、監督ならではの展開で、2回くらい寝落ちして、その度にハッとなって、そこから見直す、という作業を繰り返しました

だからといって、つまらなかったのか、と聞かれると、そうではない、と答えます
とても興味深い内容だったと思います
あの不思議な音の正体は?
妹家族との会食風景で、噛み合わなかった会話の謎
エルナンは何故いないことになったのか
そして、森の中で遭遇した、もう1人のエルナンの正体は!?

森で出会ったエルナンが目を開けたまま、瞬きもせず、口は半開きで、蠅がたかろうとも微動だにせず、長回しの間、死んだように眠っていたのが何故かツボりました(笑)

正直ラストの展開は、ポカンとなりましたが、これで全ての謎が解けたわけではありません
謎の回収がはっきりあるわけでなく、モヤモヤが残って、考察とか見に行きましたが、それでもよく分からない、お手上げ状態です

でも、この監督さんの雰囲気がとても好きなので、見てよかったなと思います
また、他の作品もたくさんあるみたいなので、すべて見たいな、と思って調べたら、配信もなく、DVDも出ていないみたいですね、残念!!
気長に待つしかなさそうです