肉の旨味

パリ13区の肉の旨味のレビュー・感想・評価

パリ13区(2021年製作の映画)
4.4
Damn…..!!!!
かなり好きな映画だった。
孤独な磁場の引き寄せのような映画。白黒のモノクロームが主体なのでさらに繊細で美しい。

愛と孤独の物語。舞台はパリ、13区。
スピード感あふれる生活。憧れ、虚栄心、エゴイスティック、セックス、孤独、愛、ストレス、人間関係。

忙しく慌ただしい日々の中で、いくらセックスして致しても、愛に至ることはない、あのもどかしさと、期待と虚無感と孤独と落ち着き。いろんな感情が交わる、あの感じ、とても良い。セックスと優しさと自責の念が交錯する微妙な三角関係を、「セックスについての映画」ではなく、日常の「やり過ごし」の一部として表現していて良い。非常によい。結局孤独でその時にセックスで埋めたとて、変わらず過ぎ行く日常にしか過ぎないんよなあ。

エレガントで抑制されたフレーミングとテンポでありながら、すべてのパフォーマンスがよい。コロナ禍パリにいたから、ものすごく懐かしい気分になったし、パリにいようが東京にいようが関係ないけどあの孤独感と孤独を埋めようとするあの感覚はどの都市に行ってもあるなぁと思った、でも特別、パリは愛に飢えるし溺れそうになるのは確か。今回の映画のパリも大好きだった。

Damn. I really felt that one: the full spectrum of emotions: ecstasy, fear, humiliation, vulnerability, love.

2022 48
肉の旨味

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