暗い部屋の中で行われる親密な関係性の構築は、白黒撮影によって艶やかに暖かく描かれる。でも、セクシュアルな関係性と親密な関係性は重なるようでいて、同じではない。
「あなたは友達だけど、大切な人ではない。」
スプリットされた画面では、お互いの事情・立場・主張がごろっと投げ出されたまま交わることがない。素性も大してわからず会話を続行するためだけに金銭が必要なビデオチャットでは、しっかりと二人の顔は切り返される。最終的には声だけを聞いて、相手の元に向かう。携帯電話・スカイプ・インターホンを周到に用いた映画。
エミリー・カミーユ・ノラの3人の関係性の詰め方も丁寧だった。
