TaiRa

わたしは最悪。のTaiRaのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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何したいか分かんなくて焦るアラサーって女も男も関係ないからねぇ。実感を込めて。

章立てでどうしようもない女のジタバタを見届ける映画。各章で好きなのはやっぱ、パーティーで知り合った男との浮気未満の遊びに興じる一夜の話。卑近なときめきの積み上げがリアルだし、男女関係で一番楽しいのって結局この時じゃねとも思わせる説得力がある。偶然の再会から走り出す恋までの盛り上がりが楽しい。男乗り換えちゃう女の別れ話の切り出し方とか、往生際悪く受け入れられない男とか、別れる前に一回ヤッちゃうみっともなさとか、そういう男女のダサい生々しさがさらっと描かれてて好き。そういうあるあるの範疇は凄く好きだけど、一方で頭で書き過ぎてる場面もあって、その辺は余計だなって。時代感踏まえるのも良いんだけどさ。男が書く女の物語ってとこに気負いがあったのかな。命の有限性と残酷な時の流れを否が応でも自覚する終盤の展開は、割とベタなんだけど役者が良いんで観てられる。個人的には結末できれいにまとめすぎると小噺っぽさ出過ぎるよって思う。別にそれが良い人もいるでしょうけど。それはともかく、夏のオスロの長いマジックアワーを利用した撮影は美しかった。
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