Automne

わたしは最悪。のAutomneのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.3
夢も希望もないフォレストガンプだった。
心の気まぐれな声に従って、自分が好きなことをやるために背負う責任を放棄してしまった人間が、そのツケを食らってしまう物語。

するっと下ネタぶち込んでくる感じ、SNSや世代間ギャップ、ポリコレへの触りだけのふわっとした批判、女性性のモチーフ含めてどこまでも今っぽい作品だなと思った。
たとえるならかなり水で薄めたアラサー版ユーフォリアみたいな。なので、どちらかというとドラマ要素強めでした。euphoria見直したほうが有意義な時間にはなりそう。

ある程度バイトしてればそれなりに見栄張って生きていける北欧の豊かさ。芸術的なものを極めてゆくためには、逼迫した生/死への衝動が必要だと私は思っているのですが、その意味で言うと彼女にそれは感じられなかった。なんとなく流れるように生きている感じ。
あるいは逆を言えば、彼女がいろいろなものに目移りして芸術を極められないのはその豊かさゆえだとも言える。
ですから終章の展開はご都合すぎて乗り切れませんでした。

コピー“恋と成長の物語”について…“恋”はしているけれど“成長”はたぶんできていない。
主人公を男女転換してみたら明らかなのだけど、実は浮気以外何もしてない物語なのよ
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