英題名『The Worst Person In The World』は今年のアカデミー国際映画賞ノミネートの中でもSNS等で評判がとても良かった作品なので地元での公開を楽しみにしていたが、結果的に少しハードルを上げすぎてしまった感はあるかな。いや、良かったですよ、劇伴もすごく良かった。
男女平等ランキング世界3位であるノルウェーの映画。そのストーリーに関してはこの映画のレビュー評価（特に20〜40代とおぼしき女性の方々）の別れ具合がとても興味深く、それだけこの映画が奥深いという証左でもある。
「プルフォーカス」って言うのかな？ カメラの焦点が次第に街並みに合うショットが多用され、それがあまりにも美しく『オスロの街並み』を楽しむ映画でもある。
タバコの煙りのやり取りが妙にエロい。エロを表現するのはこういうので良いんだよ。
個人的に興味深かったのはマジックマッシュルームのシーン。渡されたコップの水から大海に変化していくなんて映像は実際にこのキノコを食していなければ表現できないと思うのだがどうなんだろう？『トレインスポッティング』のそれとは似ているようで少し違う気がする。
「ナチュラル」と「ケミカル」の違いかもね。
そういえば『ミッドサマー』も北欧が舞台だったから北欧には歴史的にこの食べ物との関連性があるのかも。バイキングの必需品であったという指摘もあったし。
で、自分はやっぱりグラフィックノベル作家の方に感情移入してしまうんだよね。
「後悔があるとすれば、もっと君に自信をもたせてやれなかったことだ」
ほかにも終盤はこの人の名セリフが多かった印象。簡単に病気で死なせて欲しくなかったなぁ...映画だから仕方がないんだけどさ。
もう一度しっかりと観たいな。
