高卒派遣社員

わたしは最悪。の高卒派遣社員のレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.5
主人公の若い女性は医師志望から心理職志望へ専攻を乗り換え、そうこうしているうちにカメラマンを目指し始めて学資ローンは全て機材購入に消える。その過程であっちこっち男を食い散らかしているうちに40代の漫画家と知り合い同棲を始める。もちろん幸せな暮らしはつかの間のこと。年齢的なリミットを考えると相手は子供を早く欲しがるが、20代の彼女は自分のやりたいことも決まっていない。互いの人生観のギャップが解消されないまま関係は破綻する。そして主人公は別の男のもとへ…

この作品を単純にビッチの物語と片付けるにはもったいない。年の離れた男女のすれ違い、妊娠と出産が女性のキャリアにもたらす影響、中年サブカル男の終活、父娘の確執、そもそも結婚って必要?など考えさせられるテーマがふんだんに盛り込まれている。ヨアキム・トリアー監督はニューヨーク映画祭のイベントで「この作品はスクラップブック・ムービーとも呼べる」と発言していたが、まさにそんな映画だと思った。
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