空っぽな女の子の成長物語。
冒頭のヒロインの立ち姿の美しさに引き込まれるが、そこから展開される序章と終章に挟まれた十二章立ての(最近、こういう構成って流行っているのか?)才能も美貌もあるけど確固たる自我がなく大人になりきれない女性の物語。
彼女の履歴を紹介する序章で、館内に引き潮の音が聞こえるくらい自分を含めた男性観客が退いていた・・・(苦笑)。
そして物語の序盤は30歳前後で人生に悩む女性の姿や、男女あるある話を美しくポップで少しレトロでサイケデリックな映像で見せられ・・・つらい。デジャブかと思った。
中盤はブラックコメディ風の物語が展開して少し呼吸出来たが、終盤で物語が大きく動く。
終始、「うわぁぁぁん!バカバカ!女ってそういうこと言ったり、したりするよなぁぁ!」と吐血しそうな気持ちでいっぱいなのだが、最後まで目を離せずに見てしまうのは、ヒロインを演じるレナーテ・レインスヴェがキュートだからなんだな。
ヒロインも、なんで優しい男達がみんな夢中になるのかは分かる。分かる・・・うぅぅ・・・。
元彼にそういう告白するなよ・・・狂おしいほど傷付きながら喜んじゃうだろ!
しかし、女性の目線で語っている様だけど・・・どうせ自我なんか確立できないんだからキャリアを積んで身を固めろ・・・とか、エクストリームな環境保護主義やフェミニズムの女性が登場するとか・・・結構、女性に厳しい視線を送っていないかい?この作品。
とても良く出来た作品だったけど、もう2度と観ない・・・観れない。