ぴよまろ

わたしは最悪。のぴよまろのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.6
自分が何をしたいのか分からないまま30歳を迎え、なお奔放に生きる主人公が、「何か」を待ち続ける、等身大の女性を描いた作品。

見た目もよく聡明だが、人生において「これ」というものが定まっていないという、ある意味で、とても等身大な人物を描いた作品でした。主人公ユリヤは、気持ちのいくままに生きており、恋人を振り回すだけ振り回すも、すぐに飽きてしまうという困ったキャラクターですが、反面、人生の目標が欲しくてあがくようにも見え、物語の主人公としての魅力がありました。

文字通り「最悪」なユリヤですが、肯定も否定もしない、まさにYesでもNoでもない描かれ方をしているのが印象的でした。人生の目標が無い、誰もがドラマの主人公にはなれない中、それでも人生をあがくことには意味がある、そんな終わり方のように感じました。

ハッピーなラブストーリーというよりも、主人公の生き方に共感が生まれる作品でした。
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