ちゃんゆい

わたしは最悪。のちゃんゆいのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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自分にピンとくるものへ移り続けることをいとわず、気付けば30歳を迎える主人公が抱く定まらない心を、13の章題をつけ区分けしつつ、一連の物語として描く作品。

「これだ!」と思う方へ向かうことをいとわない天然の度胸の持ち主である主人公は、恋愛においても同様だった。

男性と違って、女性にとって恋愛と年齢は呪いのような関係を持つ。
血のついたタンポン、シャワー中に無自覚に足を伝う血。
作品の中で幾度となく描かれる生理の描写は、年齢とともに生殖能力があからさまに変化し、「妊娠の可能性のタイムリミットが迫っている」という焦りを女性主観で描いている。

年齢の差がある相手たちとの性生活を描くことで、男性性と女性性の間の妊娠、結婚、家庭の捉え方のズレが明らかになっていた。

逆光の中の横顔の影や、足を伝う血など
一つのカットに時間を使い、固定フレームの中での動きを強調する映像表現によって、観客に主体的に考える余白を与えていた。