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分裂のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

分裂(2021年製作の映画)
3.0
カトリーヌ・コルシニ監督が、大規模デモ下の救急病院を舞台に、けがなどでそこに集まった人々の人間模様を描いたドラマ。
原題:La fracture(2021)、(英)THE DIVIDE (2021)

ラフ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は、パートナーであるジュリー(マリナ・フォイス)と破局寸前。ジュリーが出ていくところを追いかけた際に転倒して腕の骨を折り救急に運ばれる。
ちょうどパリでは「黄色いベスト運動」の大規模デモがあり、機動隊が出動し大混乱となり、怪我をした人たちがその病院に運び込まれていた。
その中にデモで足を撃たれたトラック運転士のヤン(ピオ・マルマイ)もいて、ラフは苛立ちから大声で罵りあいの喧嘩を始めてしまう…
病院の外では、デモ隊と警察の攻防がさらに激しさを増し、病院は臨時閉鎖され、更に混乱が続く…

重症なのに早く仕事に復帰したいヤンが最後どうなるかは見ていただくしかない。
看護士役の女性にも注目。

「労働法では週3日でも、週6日働いている」

主要人物を演じる3人は個性を発揮しているが、切れ目ない怒鳴り合いのトークはやはり疲れる。

この映画は、監督が「黄色いベスト運動」の日、足をケガして救急を訪れた時の経験(映画と違い当日は診てもらえず翌日診てもらった)から生まれたもの。
ラフとジュリーの関係も、実生活での監督とプロデューサーの女性との関係が投影されている。

相手が自分の偏見や当初の印象による思い込みとは違うことに登場人物たちは気づいていくが、コルシニ監督は、フランス映画祭でのレター・メッセージ(QアンドA)で「どうしたらお互いに共通するものを見つけられるか」が大切、とコメントしている。
また、看護婦、看護士の親切に対して敬意を払っていました。
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