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コンパートメントNo.6のOMUのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.5
ロシアに留学中のフィンランド人留学生である主人公。学者の恋人と北極圏にある都市に古代壁面彫刻を見に行く約束をしていたが、
ドタキャンされたため、急遽一人で寝台特急の旅に出ることに。
そこで相部屋となったのは、自分が交流してきた上から目線のロシア人とはまた違う、粗暴な男だった。
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鉄道ロードムービーと聞いたので、車内で相部屋となる人間が入れ替わり立ち替わりする話なのかと思いきや、
最初に会った嫌な感じの男との、日にちが変わるにつれ変化していく交流が主軸のお話でした。

最初本当にいやな印象の男なのですが(なんなら女性からしてみればちょっと怖い)、話を追うにつれ、なんだか可愛らしく見えてはきます。良くも悪くもわかりやすいし、根がやさしくて臆病だとわかるので…。

けど、私なら最初の段階で全部シャットダウンして、
意地でも廊下で寝てたかもしれません笑 
それくらい主人公が、ある意味「予定もぜんぶめちゃくちゃ、最悪だらけの展開だからもうどうにでもなれ」というような開き直りがあり、
そしてその気持ちから、なんだか彼女にとっての新しい道がひらけていったようにも見えました。

旅って目的地があるにはあるんだけど、それだけがメインじゃないよな、と改めて感じさせてくれるお話でした。
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