ぴろぴろ

コンパートメントNo.6のぴろぴろのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
4.0

1990年代のロシアを舞台に、寝台列車の旅で相部屋となった男女の交流を描く。
“人は第一印で決まる”というくらい、ビジネスや面接試験なら印象が悪いと以降2度と会うチャンスは無いかもしれないけど、寝台列車の相部屋となると目的地に着くまでは嫌でも顔を合わせなくてはならない運命共同体でもある。
言葉も文化も違う男女が、時間はかかるが少しずつお互いの存在を認め「もしかしてホントはいい奴?」と、シャイなだけで打ち解けてしまうとイヤな人じゃ無いことが観客にも伝わって来る。   そんな2人のもどかしさは、やがて微笑ましいに変化する。  寝台列車の旅というのが一役買っている。
人間は、第一印象よりも時間をかけて知る事が大事だと今さらながら思ったりした。  極寒の風景の中、ラストに余韻が残る一期一会。    見知らぬ人と同じ寝台列車というのは流石に躊躇する昨今だけど、確かに90年代はそんな旅が出来た良い時代だった。
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