極北の冷気と、列車の振動を感じられるような映画。
ミニシアターという空間と非常に相性が良い。
明らかに相性の最悪な二人が、関わらざるを得ない狭い空間で少しだけ互いを理解していく。
だけど少しだけ分かり合えた気がしても、相手のことなんてまだ何も知らないに等しくて。
少しだけ許し合えたかと思えばまたいがみ合う距離感にリアリティを感じた。
序盤からずっとムスッとしている主人公。
自分の人生をつまらなくするのは自分自身だ、と思い知らされるようだった。
「人間同士の触れ合いは、いつも部分的にすぎない」
という序盤の引用が作品全体を包んでいる、そういう仕掛けも好み。