寝木裕和

コンパートメントNo.6の寝木裕和のレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
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二つの「孤独な心」が出会ったとき、そしてこの人は自分と似たような孤独を隠していたんだと気づいて共鳴できたとき、お互いにとって北極圏の凍てつく厳しい冬から守ってくれる毛布のような存在になれる。

それと同時に、自分というものも、少し理解できるようになるのではないか。
古代の石を観に行くよりも。

出会いの初めには罵り合っていた二人が、次第に心の氷を溶かして理解し合っていく様子に、温かい気持ちになった。

私たち現代を生きる人間にも、心を開け放っていくためのヒントをくれるような作品。
寝木裕和

寝木裕和