コンパートメントNo.6のICHIのレビュー・感想・評価

ロシアを舞台にした寒くて暗いロードムービー。主人公と列車で同室になった、とてつもなく嫌な感じのプーチンを若くしたみたいな男と次第に打ち解けて行く過程がスリリングで、ラスト近くの彼の涙にはグッとくる。善人そうなギター弾きの男にビデオカメラを盗まれるエピソードも効果的で、諸々の人物が善人なのか悪人なのかよくわからない海外一人旅。細かな背景は説明しないが孤独感がひしひし伝わってくる。ラストの北極圏の海沿いの吹雪の中で楽しそうにはしゃぎ回る2人の姿には思わず笑ってしまった。