猫目

コンパートメントNo.6の猫目のレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.5
オープニング(エンディングも)の文字割りがおしゃれでアート作品なのかと思った。もっと人間っぽいロードムービー🚞
「人間同士の触れ合いは、いつも部分的なものに過ぎない」byマリリン・モンローの言葉が示す意味とは。

寝台列車でロシアの最北の駅に一人向かうフィンランドからの留学生ラウラ。そこにあるという岩面彫刻を見に行くため。
自分を他人からの評価でしか認めてこなかったエリート意識が高いラウラが、今まで交わってこなかったタイプのロシア人リョーハと偶然相部屋になり嫌々ながらも同じ時間を過ごすことによって、大切なものは何なのか気付くお話。
90年代ロシアの寝台列車という舞台、赤の他人異性同士が相部屋ってありなんか?とゾワゾワしつつも、携帯もなく、手持ちカメラで撮ってるようなブレブレの画面が臨場感があって、自分もその場にいるような感覚。交わす言葉も最初は噛み合わないんだけど、粗野に見えたリョーハが実は繊細で優しい子だったり、普段は見せないであろう内の部分に触れるにつれ、ラウラ自身も凝り固まっていた概念を取払い自分を曝け出していく。もうこの旅終わらないで!と愛おしく感じてしまった。
「何を美徳とするのかはその人次第」
一期一会の出会いって嬉しさ反面、胸が、くぅーって締め付けられるような寂しさもありますよね。旅の醍醐味でもあるのですけど。
旅行の帰りにいつも思う笑 
ラウラは岩面彫刻を見にいけたのかー?

フィンランドのユホ・クオスマネン監督作品。独特のほんわか感はお国柄なのか?同国出身のアキ・カウリスマキ監督作品と似てる。
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