サワSWAA

コンパートメントNo.6のサワSWAAのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.9
旅がしたくなる。汗のかいた服や歯磨きも思う様に出来なく生活臭が嫌にぬるかもしらん。初日に入った部屋のテーブルは日に日に簡素に片付いていく。旅こそ人を疑うなんてしない、疑うくらいの人は旅をしない。寒かろうが足らなかろうが抗わず受け入れそれはいつか未来の自分に繋がる、自分を勉強し豊かに幸せになるファクターは未来じゃなく過去にある。いつしかネオナチ系粗野漢がトレスポのユアンマクレガーみたくなってくる。主人公の女性はいつもムチムチしている、まだ自分を知らないからだろう。少し魅力的に思えないかもルックが本当にいい。寒冷地の果て気味な所に一人で住んでるお婆もたくましく美しい。旅の終着に居るすすけたタクシーボディーも年季はたくましく美しい。船を出す輩や列車の女性社員、ホテルの版を押した様なスタッフ全部たくましい。列車が終着近くなると食べ物なーんもなくなってくのも合理的にたくましい。今現代に生きる人間が古い時代へ懐かしみタイムスリップしながら、携帯の無い時代に自分だけを所持して旅に出て自分探しにも似た、「距離」を学ぶ映画。ラストの手紙と笑顔と特徴的なポップスナンバーが受け手の心に鳴り響くこの唯一無二な鑑賞後感は当分抜けない気がする。というか、今日観た感想と明日思い出す感想は違うんだと予想する。想う度にどんどん視野が広がっていく映画なのかもしれない。見終わって直後、お風呂入って湯船でサッパリしたのちDVDの得点映像とか観返しながら淡麗緑開けながら反芻した感想をそろそろ置いて、さぁ寝て起き明日思い返すと僕はまだ冬の気候に手揉みをするのか楽しみです
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