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フラッグ・デイ 父を想う日のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

3.5
父は行ってしまった
私が憧れる広い外の世界へ
最後に眼が合った気がした
それが絆に思えた

父に言ってしまった
「馬鹿にしないで!」
嘘で塗り固められた父の人生
私への愛は嘘じゃないと言ってほしかった

父にとって私はいつまでも子どもで
私にとって父はいつまでも父だった

少し歪んでいてもいい
キズが入っていても、色褪せていてもいい
愛情って、そういうものでしょう?


いつか撮ったあのビデオのように、懐かしくて愛おしい記憶。不鮮明で途切れ途切れでも感じられる父の愛情。
名優ショーン・ペンの顔に刻まれた皺のひとつひとつから、やりきれない現実への哀愁を感じるようで、彼の心の内に引き込まれる。
実娘のディラン・ペンの演技が上手いかどうかは私には判断がつかなかったが、実の父娘であることでできる表現もあっただろうと思う。
罪を犯した父と彼に寄り添おうとする娘が、自分たちなりの愛を探し求める物語。


パンフレットはどこか懐かしさを感じるレトロなデザイン、ザラついた手触りがなぜかしっくり手に馴染み心地よい。テキストも充実で良い出来だった。