マ

ストーリー・オブ・マイ・ワイフのマのレビュー・感想・評価

4.4
ポスターにもなってるダンスのシーン、アップテンポな曲で激しく踊る"妻"に一緒に踊ろう と誘われた"夫"は、立ち上がるも踊らず 無言で演奏者の男性に目線を向ける。すると目線に気づいた奏者は 演奏をスローなタンゴに変える そして踊り出す夫 ソレを複雑な顔で見る妻。

海の上で他人と関わらず 孤独に生きていた主人公が ゲームとしての"結婚"を通して生きることに初めて立ち向かう。一見「ゴーン・ガール」や「ファントム・スレッド」的な、結婚というゲームで ソレを理解できていないが故に妻に敗北する(愛に負ける→ハッピーエンドな)夫の話 を思い浮かべるけど この映画には少し違う印象を持つ。

"他人"との密接なコミュニケーションの中から表れる生(性では無い)に対して情けない反応を繰り返す夫は、結婚を勧めた友達が実践している父権主義的な結婚生活や、前述の様な空気のコントロールから つまり当時の男性の権威に従って妻を支配しようとする。けれど 本当の意味で人生を生きているレア・セドゥの前では何の意味も無く コントロールを失うと(元々握れてなんかないんだけど) 船(she)にも混乱が起きる。

信頼があるからこそ 故に妻が提示する様々な試練を通し、この社会で実際に生きる意味を見出していく主人公。ラスト 6つのレッスンを経て 真実を知る前に考えた虚無的な人生観は、真実(7つ目のレッスン)を経た後には変わるのか。
マ