Fumi

ベルイマン島にてのFumiのレビュー・感想・評価

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)
4.5
これは見逃していたのを完全に後悔した。素晴らしい。ベルイマンが愛した島で映画監督の夫婦が静かに過ごす旅。その旅中で女性クリスの心の揺れを彼女が執筆する物語の中で語られていく。目の前にいる愛する人、夏のバカンスとして美しすぎる島の風景、創作活動をする喜び。それでも満たされていない何かが誰しもあり、つい思い出してしまう過去や自分の内面的な欲望がある。わたしは最悪。でアクセル役を務めていた俳優アンデルシュ・ダニエルセン・リーと、ミアワイコウスカの2人のやりとりが色っぽい。

何よりこの島の捉え方が素晴らしい。夏の太陽、草原の緑、ミニマルな北欧家具が揃えられた美しい部屋、すべてが完璧で、その描写は「君の名前で僕を呼んで」に匹敵すると思えた。傑作。
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