大人気シリーズとなったコナン映画の中でも、まさに異色作。
自分はベイカー街が1番好きかなぁ。
VRの仮想現実世界、
子どもキャラクターの自殺、
メインキャラの退場、
新一と親父の共闘、
犯人は最初から観客には分かっている構成(倒叙方式というらしい)、
日本の世襲文化に対する風刺、
これらの攻めまくった要素を、綺麗にコナン映画としてまとめているのが凄すぎる。
ダメな親と子どもが日本を悪くするっていう描写をいれながらも、優作と新一の親子の共闘と信頼関係を表現しているのが良いよね…
また、少年探偵団たちがゲームの世界で死んでしまったとき、全然怖がらないでコナンなら解決してくれるって信頼してるのも、また良い…
VR世界×デスゲームの要素に、19世紀のロンドンを掛け合わせてくるセンスが凄いし、それをコナンでやるなんて、面白いに決まっている。
モリアーティ教授もガッツリ出てくるし、一瞬だけ出てくるホームズもイイネ。
こういう人気シリーズでは絶対にできない、『主要人物たちの死』が仮想空間の中でなら実現できるし、全滅したら現実世界でも死ぬっていう設定を入れ込んでくるから、緊迫感もちゃんとある。
多分、ヒロキくんは最初から子どもたちを殺すつもりは全くなかったのだろうけども…
VRの中だから、いつもの博士の発明シリーズは全く使えず、アクションに頼れないコナンというのも新鮮で、作品の設定がめちゃくちゃ考えられていて、上手いと思った。
コナンパートと親父パートで2つの事件を追っていくから、どうしてもそこの調査・推理要素は薄くなってしまうのだけど、ロンドンの世界観が楽しくて緊張感もあるので、ストーリーは濃い。
令和あたりの、キャラ同士の関係性やド派手アクションのコナン映画とは全く楽しみ方が異なるけど、全く退屈しないです。