ちべっとまんそん

名探偵コナン ベイカー街の亡霊のちべっとまんそんのレビュー・感想・評価

4.2
子供の頃から最も好きだった名探偵コナン作品。
時代が流れ、大人になってから見てみるとなかなか考えさせられるものがあります。
世襲への風刺がきいているところとか。笑

この作品の唯一無二の特徴は、「仲間が死ぬ」要素があること。
誰かの助けや犠牲があってコナンは生き残り、運命のバトンが紡がれていく。
ゲームの中という仮想現実の世界設定を利用した巧技である。

また恒例の新一と蘭ねーちゃんの恋愛要素がかなり薄いのも特徴的。
ゲームのなかでは子供たちが、現実世界では新一父(工藤優作)が活躍し事件解決に導いてゆく、父と子の絆が重要なテーマのひとつと感じられる。

当時は「成長する人工知能の暴走」なんて眉唾ものでしたが、近年のAIの発展を見ると、割と現実味を帯びてきた感じがします。

この素晴らしい作品の脚本を書かれたのは作家の野沢尚氏で、残念なことにこの数年後に若くして自死されている。この路線のコナン作品がもっと見たかったと思う。