北斗星

その日、カレーライスができるまでの北斗星のネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます


リリー・フランキー。
ラジオ。
失踪した妻。
そして3日煮込んだカレーライス。

面白くないわけがない。



亡くなった息子


大雨の夜、何度も停電する。
押入れから、ドスンと何やら怖い音が…。
主人公がその時手に持った『武器』の新聞紙にクスッと笑ってしまった。
『何ですかあー?!』ってビビリながら精一杯の声を出し、勇気を振り絞って押入れを開ける。

面白いつかみ。





何度も息子さんの遺影が倒れる。最初は偶然か?と思っていたが、どうも偶然ではないらしい。


私も家人との間で似たような不思議な体験を、ごく最近したことがある。


息子さんに、写真ごしに静かに語りかける。




人生が何もかもうまくいかない時は、長く生きていると結構あります。

そして良いこと、悪いこと、どちらも長く続かない。人生は。
最中にいる時はとてつもなく長く長く感じるけれど…。






お父さんは確かにお金は無かったかもしれない。


でも、二人を懐う真心だけは誰にも負けてないと感じました。




全く同じ境遇の子供さんが、多分外国で手術を受けることになったようだ。




雨の丸い円と、
音楽が途中からポワワ〜んと歪み、少しだけあったかい音になってくる。
主人公の気持ちも段々ほぐされてゆく。



主人公のカレーは、後でホロホロになるブロックの牛肉、途中で投入される市販のルウ。そして隠し味はハチ蜜。



やっぱり同じラジオを聴いていた奥さん。




奥さんとの声だけのやり取り。



ちゃんとした服に着替えて、髪を整え、まだ湯気の出ているカレーライスを三人分テーブルに用意したその時…。




うちの地方も5日間雨続きだった。久しぶりに雨あがる。
息子さんの遺影を持ち、3日ぶりに晴れた夕陽を一緒に見た。。
主人公の顔も明るく晴れていた。



リリー・フランキーの一人芝居。 

52分が全然物足りなく感じない。







主題歌もとても良い。





素晴らしかった。
北斗星

北斗星